先週は、パーティや結婚式などにエナメル素材の靴をオススメしたのですが、今週は、エナメルではなく、カーフに鏡面磨きを施した靴のメンテナンスについてのお問合せをいただいたので、それについて少し触れてみましょう。
エナメル程ではなくとも、鏡面仕上げをすることでピカピカになった靴は、確かにチョッと誇らしげに感じることがありますからね。
最近、雑誌でも靴のお手入れ特集号などが企画されるようになったせいか、お客様からのお手入れに関するお問合せが増えているように感じています。
靴を大切に履いて下さっていると云うことで、できる限りわかりやすく説明をしようと思うのですが、最終的には「習うより慣れろ」の部分が大きいので、実演をしたほうが早いかな?!と思うこともあります。
先日お見えになった方は、つま先を鏡面で仕上げた後のメンテナンスはどんな風にしたらいいのでしょうか?というご質問のためにご来店されました。
この方は、既にご自分で鏡面仕上げができるほどに靴のお手入れにのめり込んでいらっしゃるご様子でした。そして、きれいに仕上げたのは良いが、そのままどの程度放置しておいてよいのか、上からさらにワックスを塗り重ねていいのか等なかなか「お手入れ読本」などには書いていないことが気になったのではないかと思います。
実は、靴のメンテナンスについては、磨きのプロの方もいらっしゃいますが、なかなかこれで決まり!といった決定版がないのも確かです。例えば、シューツリーは、靴を脱いだ後に直ぐに入れた方が良いのか、一晩くらい置いてから入れた方が良いのかといった事がプロの方の間でも意見が分かれているぐらいです。
ということで、「「REGAL TOKYO」ではこんな風にやってます」という事をお客様にお話させていただきました。
皆様ご存知の通り、つま先が鏡の様に光るのは、革表面の凹凸をワックスで埋めて平滑にすることによって光りを反射し、あの光沢が生まれます。したがってその状態が維持できているうちは、特別なことはしなくても良いと云うことになります。
ただ、通常のお手入れで乳化性の栄養クリームを塗る時に一緒につま先部分も磨いていただければ、クリーム自体が持つクリーニング作用である程度はキレイになってしまいます。
また、鏡面を維持しようとして度々ワックスを塗り重ねると、そのうちに表面がひび割れをしてくることがあります。その時はクリーナーなどで一度ワックス分を落としてあげて、再度最初から仕上げていただければと思います。
一つ注意する点としては、クリーナーで落とす際にあまりゴシゴシと擦らないことです。大切な靴ですから一度に落としきろうとせずに、少しずつ気長に取り組んでみてください。
次に仕上げる時は、一度鏡面で仕上げたものは、ベースが出来ているのでしょう、割と簡単にキレイに仕上がりますよ。
何れにしましても、乳化性クリームとワックスと水を上手く使ってご自分なりに納得できる形に仕上げていただければよろしいかと思います。
また、何かお手入れなどでご質問などがありましたら、スタッフまでお問合せくださいませ。