こんにちは、田尻です。

先週の記事とは違い、私は、職人の視点で修理について考えたことを書いてみました。


 先日、工房にビスポークのオールソール修理が送られてきたのですが、修理靴というのは本当に結果の表れだと感じました。我々と靴の修理屋さんと違うのは、その修理する靴は自分達が作った靴であるということです。靴職人は、お客様の足を採寸し、木型を製作して靴を作り、お客様に履いてもらって、おしまい、では当然ないわけです。というのは、自分がお客様の足に触れ、考えて作った木型で、果たして思惑通りに足が収まっているのかということを確認しないと、その製作時の判断が正しかったかどうか判らないからです。


海外では1足目はトライアルシューズという考え方があると聞いたことがありますが、その考え方からすると、むしろ1足目をお渡しした後にこそ本当の「Be Spoken」が始まるのではないかとも思うのです。


作り手の良し悪しは、どれだけ多くの靴を作ったかだけではなく、自分で作った靴をどれだけ修理したかとも言えるのではないでしょうか。このオールソールをした靴は、4年程前に製作したもので、その当時の木型の考え方がぎっしり詰まっていました。その時に意図したことが時を経てみるとわかることは沢山あります。それは、履きこんで、お客様の足に馴染んだアッパーや中底など色々な部分がどうなっているのかを確認することで、自分たちの意図したことの結果が現れているからです。「作ったらおしまい」ではなく、その後のお客様にとっての「その1足」と向き合い、会話をすることがとても大切なことだと改めて感じました。今回、その靴を見て、ばらして、考察する事で1つ前に進めた気がしました。

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