木型の不思議

May 29 2009

こんにちは、工房の田尻です。今回は紐靴とスリップオンの木型の違いについてお話したいと思います。


 紳士靴のデザインには、大まかに言って紐靴とスリップオンがありますが、それぞれに使用する木型の形は微妙に違います。


紐靴の場合、甲を抑える時の力加減を紐の締め具合で調節できるので、足の形に近い木型を使用いたします。それに比べてスリップオンの方は、基本的に甲周りなどの調節がきかないため、甲を抑えた木型でないと踵が浮いてしまい、スリッパみたいな状態になってしまいます。実際には非常にデリケートな違いと意味があるのですが、端的に言うと以上のようになります。


そういった違いがあるので、紐靴用の木型でスリッポンを作ると、微妙な不具合が出てきます。どういうことかというと、足の内側と外側の肉に押されて履き口が開いてしまうことがあるのです。


更に、デザインを元に、木型にどんなラインをのせるのかによっても、足をホールドする位置や、方法が変わってきます。


このように複雑な要素が絡み合ってくるので、それらのことをいろいろと考えながら、職人は木型を作りこんでいくのです。木型を作るということは、職人の経験や感覚と足の計測値などを総合的に判断することによって、初めてお客様の足型に合ったものが出来上がるといえると思います。

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