工房の田沼です。今回は、地味な存在ですが、靴にとっては履き心地を左右する大切なパーツの「中物」について書いてみました。


  中物とは「Bottom filling or filler」とも呼ばれるように、もともと木型にアッパーを釣り込む際に、釣りしろとの間にできる凹面を埋めるために使われる詰め物のことです。


 現在REGAL TOKYOで扱っている靴の中物は、「ビスポーク」と「九分仕立て」ではフェルトを、既成靴ではコルクを使用しています。この2種類の違いは、フェルトはクッション性がよく、コルクは沈み込みが比較的大きいということです。さて、この2種類の中物、履き比べたらどれ位違いがわかるのでしょうか。


 そんな疑問を解決するために、自分の靴を作るにあたり、右足はコルク、左足はフェルト という具合に左右で別々の中物を入れて作ってみました。その結果、私の感想としては、コルクの方は沈み込みが早く大きく、フェルトの方は沈み込みが少なく、クッション性には双方大差が無いと感じました。



20090327-2.jpg

  中物の役割としては、単に中底と本底との隙間を埋めるというだけでなく、クッション材として足当たりを良くするということもあります。「沈みこむ」と申しましたが、それはいわば中底が天然のフットベッドとなり、履いている人の足型に馴染んでより履きやすくなっていく事と言えます。そして、そこには「中底の厚み」が密接に関わってくるのです。「ビスポーク」と「九分仕立て」では、約5mmと厚めの牛革の中底を使用しておりますので、中底自体が沈みこみ、天然のフットベッドの役割をはたしています。ですから、沈み込みが少なく、かつ靴の返りを妨げない通気性の良いフェルトを使用しているのです。


 このように靴の中物は外からは見えませんが、色々なシューメーカーによって、木型の考え方や各材料の特性をよく考え、その靴に適した中物が使用されています。


 左右の靴で中物を変えた靴は、これからも履き続け、その違いやオールソール交換の時の違いなどをまたレポートしていきたいと思います。

  • REGAL SHOES
  • REGAL CORPORATION

backnumber

rss