中底

September 25 2008

工房の田沼です。                          

 私はご注文をいただく際には、お客様のご要望を伺い、足型を計測しながらどのようなカタチに仕上げていくとイメージどおりに、あるいはそれ以上の靴になるかという事を考えています。


その為に、素材や色、トゥシェイプなどお客様のイメージがどのようなものなのかできるだけ具体的にお話を伺っていきます。お客様にとっての「自分だけのこだわりの一足」に仕上げるために、いつもこのお客様との会話には神経を集中して、自分の思い込みにならないように気をつけています。       


 今回は靴づくりの中では地味な部分ですが、履き心地に影響を与える中底の話をします。


靴をつくるには色々な部材を使いますが、『中底』はその中でもとても大切な材料のひとつです。『中底』には直接足に触れ、汗を吸うという役割があるからです。靴を永く快適に履いていく上でとても重要な部品の一つといえます。昔から『靴の良し悪しは中底で決まる』といわれる由縁です。



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 私達の工房で主に行っているハンドソーンウェルト製法では、『中底』に直接リブを起こすため、『厚みがあり(4.55.0mm必要)、適度に締まったものが良い中底』といえます。


また、中底の品質は、修理をする際にも影響します。着用状況にもよりますが、最悪の場合、ひび割れなどを起こすこともあり、せっかく足に馴染んで履きやすくなったのに中底を交換しないと修理ができないこともあります。そんな事がないように、より良い中底を選び、使うようにしているのですが、革は実際には見た目だけではなかなか見極められません。私たちは外観の他に、手で革をさわった触覚やリブを起こすときなどの包丁を通した感覚などでも材質を判断しています。


今までは国産やイタリア製などの既存の素材で様子を見ながら使ってきましたが、材料の高騰や仕入れる際の品質にバラツキもあることから、我々の要望にかなう材質のものを国内で試作してもらっています。これについては、後日出来上がりましたらご報告したいと思います。


 ところで、このようにお客様のために上質な材料を選んで使うようにしているのですが、実は、革は食用に供された肉の副産物として取れるものなのです。ですから、牛と皮をなめす方々への感謝をこめ、材料を「使わせていただく」という気持ちを忘れないよう、日々、心がけています。 

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